昨年ノーベル物理学賞を受賞した南部陽一氏、小林誠氏、益川敏英氏が
出演するテレビ番組を見た。
受賞理由さることながら、それよりも三方の人柄の奥深さに感銘した。
三氏ともに純粋で素朴な個性の持ち主で、心があたたまりました。
ところが、ノーベル賞に「機械工学」の無い事に初めて気づいてしまっ
た。
文学賞、平和賞、物理学賞、化学賞、生理学・医学賞、(経済学賞)が
ノーベル賞だ。
ノーベル賞の元手
ノーベル賞は「ダイナマイトを発明したアルフレッド・ノーベル氏が、
バクー油田の開発などで築いた財産を元手に、人類に貢献した人の
ために創設され」たとある。
てっきりダイナマイトの製造販売で得た利益が元手と勝手に思って
いたが、どうも間違いのようだ。
バクー油田は20世紀中においては世界最大油田だったそうだ。
いわゆるオイルマネー。心から納得。
多分ノーベル氏は創造を絶する資産家なのだろう。
人類に貢献するとはどういうこと
蒸気機関、ガソリンエンジン、ジェットエンジン、飛行機、ヘリコプ
ター、ロケット、宇宙船などなど。
機械工学に係わる歴史的発明はまだまだある。これらの発明は、人類に
貢献しなかったのだろうか。
答えは、貢献もしたが加害の原因ともなった、だ。
技術革新の裏に「戦争」があることはよく知られたことだ。
人類への貢献に表裏は許されない、のだ。
ノーベルが求めるのは純粋な貢献なのだろう。
機械工学賞があっても日本人には無縁かも
そうするとノーベル賞に機械工学賞が生まれる可能性はゼロという
ことになる。
しかし、たとえ人類の貢献に限ったノーベル工学賞が創設された
としても、日本人が受賞することは、ないような気がする。
明治以来日本人が得意とする機械工学は、取り入れてそれを上回る
テクニックだから。
ところで大学に機械工学部を創設したのはなんと日本が最初。
帝国大学工学部がそれだ。納得できるな、これも。