その転職ちょっと待った!
この本は読み終えて少しもすっきりしないし、ファイトがバリバリ沸いてくるものでもない。
むしろ気分がめいってしまうかも知れない。
でも、あえてお勧めしたい。
今、会社辞めたいな、仕事やめたいな、転職したいなと悩んでいるあなたに、
とりあえず読んでから、辞めるなり、思い留まるなりして欲しい。
転職の理由は人それぞれ。
その理由を 決して人には言えない場合もあれば、すべての関係者に祝福されて転職する人もいる。
しかし、その理由を改善せず、同じ不幸な理由で転職を繰り返す人をたびたび目にする。
結局のところ、自分で感じる転職のその理由が「言い訳」に過ぎないことに気づかないことが、
原因になっているのだ。
だからその本当の理由に気づかないまま、転職してもまた転職する。
人のことは良くわかるのに、自分のこととなるとなかなか理解できないのが「人」の性とは言え、
その後の人生を左右しかねない転職には、
もっと慎重になるのもいいじゃないか。
「その転職ちょっと待った!」は転職理由に潜む「言い訳」にずばり踏み込んでいる、
ことによると自己変革のきっかけになる一冊、と思う。
『自分らしく働きたい』とか『上司に恵まれないから』とか『自己実現するために』とか
いろいろな転職の理由がある。
だけど、『その理由ホント?』
その理由を上司や同僚が
「そのとおりだ、是非転職すべきだね」と言ってくれるかな。
著者の荒井千暁氏は産業医。
多分何千人もの悩める会社員の相談相手になってきた人と思う。
だから、荒井氏の言葉は、重く鋭く読む人の心に突き刺さってくる。
アスキー新書 荒井千暁著 733円
※ 産業医について知りたい人は
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/080123-1a.pdf